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主の昇天の祭日:教皇、聖年の布告勅書を全世界の教会に託す

教皇フランシスコは、「主の昇天」の祭日、バチカンで夕べの祈りをとり行われた。集いのはじめに、教皇は来たる2025年の聖年を公式に布告する勅書を教会の代表者らに手渡された。

 典礼暦で「主の昇天」を祝った5月9日(木)、教皇フランシスコはバチカンで同祭日の第二晩課を主宰された。

 この夕べの祈りのはじめに、教皇は2025年の聖年を布告する勅書『スペス・ノン・コンフンディト』を、全教会に象徴的に託す儀式を行われた。

 勅書公布の儀式は、聖ペトロ大聖堂のアトリウムにおいて、まだ閉じられている「聖なる扉(聖年の扉)」の前でとり行われた。

 教皇は「万能でいつくしみ深い神が、恵みのためにわたしたちが運命づけられている栄光への希望をわたしたちの中に高揚させてくださいますように」と祈りつつ、聖年のための勅書を、教皇直属のローマの4つの大聖堂の各主席司祭、世界の教会を代表する数人の枢機卿と司教、そしてプロトノタリオ(教皇庁の書記長)らに、一人ずつ手渡された。

 続いて、朗読台に上がった、プロトノタリオ団の主席、レオナルド・サピエンツァ師によって、勅書の重要な箇所の抜粋が読み上げられた。

 「フランシスコ、ローマの司教、神のしもべのしもべ。この書簡を読む人たちの心を希望がいっぱいに満たすように。『スペス・ノン・コンフンディト』、「希望は欺くことがありません」(ローマ5,5)」。

 このように始まる勅書を通し、2025年の聖年の開幕および閉幕が次のように発表された。

 2025年の聖年は、2024年12月24日(火)、バチカンの聖ペトロ大聖堂の「聖なる扉(聖年の扉)」が開かれると共に始まる。

 次いで、2024年12月29日(日)にローマのラテランの聖ヨハネ大聖堂(サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ)、2025年1月1日(水)に聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)、1月5日(日)に城壁外の聖パウロ大聖堂(サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ)の「聖なる扉」がそれぞれ開かれる。

 地方教会としては、2024年12月29日(日)、すべてのカテドラルにおいて、教区の司教により聖年の荘厳な開幕としてのミサが捧げられる。

 一方、聖年の閉幕については、次のように行われる。

 ローマの教皇直属4大聖堂のうち、聖ペトロ大聖堂を除く3つの大聖堂の「聖なる扉」が、2025年12月28日(日)までに閉じられる。

 地方教会においては、聖年は2025年12月28日(日)に終了する。

 2026年1月6日(火)、主の公現の祭日、バチカンの聖ペトロ大聖堂の「聖なる扉」が閉じられることで、2025年の聖年は閉幕する。

 また、勅書の中では、戦争の悲劇に覆われた世界に対する平和の祈り、命の伝承への熱意が失われた今日、若い人たちが子どもを持つことが可能となるための支援の必要が強調された。

 同時に、この聖年を機会に、受刑者、病者、青少年、難民・移民、高齢者、貧しい人々への、いっそうの関心が呼びかけられた。

 勅書の朗読に続き、大聖堂のアトリウムから聖堂内への行列が行われた。

 夕べの祈りの説教で、教皇は、「祈りの年」を通して聖年を準備しながら、心をキリストに高く捧げ、絶望が広がる文明の中で「希望を歌う者」となるように招いた。

 社会と時代、自然環境、国々と人民、若者と高齢者、病者、教会、そしてわたしたち一人ひとりに、教皇は希望の必要を説かれた。

 「主の昇天」の祭日、教皇は、わたしたちが希望を再び見出し、希望を告げ、希望を築けるようにと、復活し昇天された主にその恵みを祈り求めた。

 

09 5月 2024, 22:18