教皇、愛と平和のために聖霊の力強い風を祈る
カトリック教会の典礼暦は、6月8日、「聖霊降臨」の祭日を祝った。
この日は同時に、「教会の運動体、諸団体、新しい共同体」のための聖年行事の最終日を迎えた。
教皇レオ14世は、この朝、教会の様々な運動や組織に属する人々と、バチカンの聖ペトロ広場でミサを捧げられた。
ミサ開始前に、教皇は特別車パパモービルで会場を訪れ、広場や周辺の道を埋めるおよそ8万人の巡礼者たちを歓迎された。
ミサの説教で、教皇は聖霊が使徒たちの人生に及ぼした驚くべき働きを観想。
イエスの死後、恐れと悲しみで自ら閉じこもっていた弟子たちは、聖霊降臨により、これまで起こったことを理解する新しい眼差しと心の知性を与えられ、恐れから解放され、傷をいやされ、神の御業を告げるための力と勇気を受け取った、と話された。
聖霊降臨について語る使徒言行録2章は、エルサレムにはその時あらゆる国から来た人々がいたが、「だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いた」(参照:使徒言行録)と記している。教皇はこの時の状況に思いをはせながら、聖霊降臨の際、使徒たちがいた「高間の扉」が開いたのは、「聖霊は境界を解放する」からであると述べられた。
そして、教皇は、聖霊は「まず、わたしたちの心の境界を」、「次に、わたしたちの人間関係の境界を」、「さらに、人民間の境界を」解放する、と説かれた。
聖霊は境界を打ち破り、無関心と憎しみの壁を打ち壊す。なぜなら、聖霊はわたしたちに「すべてを教え」、イエスが「話したことを思い起こさせる」からであり(参照 ヨハネ14,26)、イエスの第一の教えとして心に刻まれているのは「愛の掟」であるためである、と教皇は指摘。
愛がある所には、偏見や、隣人を遠ざける「安全のための距離」、政治的ナショナリズムにも見られる締め出しの論理のための余地はない、と語られた。
教皇は、戦争が地球を揺るがしている今、愛と平和の聖霊に、境界を解放し、壁を壊し、憎しみを消し去り、わたしたちが天にまします唯一の御父の子らとして生きることを助けていただけるように祈ろう、と招かれた。
教会を刷新し、世界を新たにするのは聖霊降臨である、と述べた教皇は、聖霊の力強い風がわたしたちの上に、中に吹き、心の境界を開放し、神との出会いの恵みを賜り、愛の地平を開き、平和が治める世界を築く努力を支えてくださるようにと祈願された。