「大きな挑戦を証しの機会として生きる」教皇、ローマの聖職者らに
教皇レオ14世は、6月12日、ローマ教区の聖職者たちとお会いになった。
バチカンのパウロ6世ホールで行われたこの出会いには、ローマ教区における教皇代理司教バルダッサーレ・レイナ枢機卿や補佐司教たちをはじめ、同教区で働く司祭、助祭たちが集った。
レオ14世は、教皇登位後、ラテランの聖ヨハネ大聖堂をはじめとする教皇直属バシリカでの着座式、またローマ教区の司祭叙階式などを通し、同教区の関係者と儀式を共にする機会をすでにいくつか持たれている。しかし、ローマ司教(=教皇)と同教区の聖職者団の出会いそのものを目的とした集いは、今回が初めてとなった。
最初にローマ教区教皇代理司教のレイナ枢機卿が皆を代表して教皇に挨拶をおくり、その中で、ローマ教区に直属する809人の司祭と149人の終身助祭に、他の教区からの司祭・助祭たちを加え、合計8020人の聖職者がローマで活動していること、ローマ教区には現在333の小教区があることなど、教区の概要を紹介した。
教皇は、ローマ教区の司祭・助祭の皆さんにじかにお会いし、皆さんをよく知り、共に歩み始めるためにこの出会いを望んでいたと話され、聖職者たちの日頃の奉仕とそれに伴う苦労をねぎらわれた。
学業などを理由に、世界のあらゆる地域から多くの司祭たちが集まるローマ教区の特殊性に触れた教皇は、そこで育まれる普遍性と相互受容の精神を指摘。
この普遍性において、特に「一致」と「交わり」を大切にするようにと聖職者らに願われた。
主と一致し、自分たちの間で一致してこそ、信じうる証しを世界にもたらすことができると教皇は強調。
孤立を促し、自分だけに意識を向けさせる今日の文化が、霊的生活や使徒職にも影響を及ぼしかねない中、司祭は自ら交わりを生き、それを生み出す人でなければならない、と話された。
また、教皇は聖職者らに「模範性」を保つようにと願われた。
教皇は、信頼できる模範的な司祭であるよう皆で努力しようと招きつつ、自分たちに限界はあっても、神はわたしたちを深くご存じであり、託された貴重な宝にわたしたちが奉仕できるように、特別な恵みをくださったと語られた。
この困難に満ちた時代に、神はまさにこのわれわれを召された、と教皇は話し、自分の力を超えるように見える大きな挑戦を福音的に捉え、証しの機会として生き、そこから逃げることがないように、と勇気づけられた。
そして、この複雑かつ刺激的な今日の時代において、司牧や勉強のための努力を、神の御国の構築の学舎としていくことができるようにと、ローマの聖職者たちを励まされた。