教皇、福者イウリウ・ホッス枢機卿をしのぶ
教皇レオ14世は、6月2日、ルーマニアの司教で殉教者、福者イウリウ・ホッス枢機卿(1885-1970)を追悼する集いで挨拶をおくられた。
福者ホッス枢機卿は、ルーマニアのギリシャ典礼カトリック教会のクルジュ=ゲルラ教区司教で、カトリック教会への忠実のため、共産主義の迫害を受け、長年の監禁の末に殉教した。1969年、当時の教皇、パウロ6世により「インペクトレ」の(様々な理由のため教皇によって名前を公表されない)枢機卿に任命された。教皇フランシスコは、2019年6月2日、ホッス枢機卿と他の6人の司教殉教者を訪問先のルーマニア・ブラジで列福された。
レオ14世は、福者ホッス枢機卿の、1940年から1944年の間に、北トランシルヴァニアでユダヤ人たちを支援し救った勇気ある努力のために、「諸国民の中の正義の人」の称号付与のための調査が2022年に開始されたことに言及。
クルジュ=ナポカのユダヤ教共同体の指導者であった元チーフ・ラビが、ホッス枢機卿が同地方で数千人のユダヤ人を死から救うことに貢献したと証言していることなどに触れられた。
ホッス枢機卿の生涯は、祈りと隣人への献身を完全に貫いた信仰の証しであると述べた教皇は、同枢機卿を対話の人、希望の預言者として振り返った。
教皇は、ホッス枢機卿のメッセージは今日いっそう重要であると指摘。
同枢機卿がルーマニアのユダヤ人たちのために、あらゆる危険をおかし隣人を守るために行なった行為は、自由で勇気ある、究極の犠牲に至るまで寛大な人間のモデルを示すことになった、と述べると共に、その模範は第二バチカン公会議の公文書「Noatra aetate(キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言)」の内容を先取りするものであったと強調された。