王であるキリスト:WYDの十字架、ポルトガルの若者から韓国の若者へ
カトリック教会は、11月24日、典礼暦の年間最後の日曜日、「王であるキリスト」の祭日を祝った。
同祭日には、教会の「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)」が教区レベルで記念される。
この日、教皇フランシスコは、バチカンの聖ペトロ大聖堂で「王であるキリスト」の祭日のミサを若者たちと共に捧げられた。
ミサの説教で教皇は、「王であるキリスト」の日、万物の源、造り手である主(参照 コロサイ1,16-17)、滅びることがない統治を行われる主(参照 ダニエル7,14)を見つめるように招かれた。
王である主とその王国を観想することは、わたしたちの気持ちを高めるが、その一方で、まわりを眺めれば、戦争や暴力、環境危機、不安定な仕事や経済、社会の分断や不平等など、異なる現実を前に、心に疑問と不安がわくだろう、と教皇は話された。
世界で起きる様々な出来事は、もはや神の手中にはない、と言う人たちがいるかもしれないが、そうではない、と教皇は強調。
歴史は暴力や横暴を振るう者たちが作るのではない。わたしたちを苦しめる多くの悪は人間の仕業、悪霊の欺きによるものであるが、最後にはすべてが、正しくいつくしみ深い方、王であるキリストの裁きに委ねられる、と説かれた。
主はわたしたちを自由にされるが、独りに放っておくことはなさらない。わたしたちが過ちを犯した時は正しながら、愛し続けてくださり、わたしたちが喜びのもとに再び歩めるように助け起こしてくださる、と話された。
ミサの終わりに、ワールドユースデー世界大会の前回(2023年)の開催国であるポルトガルの若者たちから、次回(2027年)開催国である韓国の若者たちへ、同大会のシンボルである十字架と聖母子画「サルス・ポプリ・ロマーニ」の引き継ぎが行われた。
この引き継ぎは、福音を生き、それを世界のあらゆる場所へもたらすようにとの招きであり、しるしである、と述べた教皇は、韓国の若者たちに「アジアにこの十字架をもたらし、キリストの愛をすべての人に告げてください」と大きな励ましをおくられた。