マルセイユ訪問:教皇「聖母のようにいつくしみと取り次ぎの道具に」
教皇フランシスコは、9月22日(金)、訪問先のフランス・マルセイユで、地元教区の教会関係者らと祈りの集いをとり行われた。
会場となったノートルダム・ド・ラ・ガルド聖堂は、旧港の南の丘の上にそびえる、ネオ・ロマネスク・ビザンチン様式の教会。かつて聖母に捧げた古い礼拝堂があった場所に、1853年に建設が始められ、1864年に献堂された。鐘楼の上に荘厳な聖母子像を載せたこの聖堂は、船員や、漁師、マルセイユ市民を見守る希望と保護のシンボルとして「ラ・ボンヌ・メール」(優しき御母)と呼ばれ愛されてきた。
教皇との出会いのために、同聖堂には、マルセイユ大司教区の司教、司祭、終身助祭、神学生、修道会の長上たちが集い、これに地中海地域の様々な聖母巡礼聖堂の責任者たちも加わった。
入堂された教皇は、聖水で人々を祝福した後、火を灯した大ろうそくを聖母子像前に捧げ、しばし祈られた。
教皇は参加者への言葉で、今日もマリアは「優しき御母」として、わたしたちとイエスとの出会いの主役であると強調。その出会いの中で、愛をたたえたイエスの眼差しと、聖母によって神に差し出されたわたしたちの眼差しが交わり合う、と話された。
そして、教皇は、わたしたちもまた聖母のように、「いつくしみの道具」となって人々にイエスの愛の眼差しを感じさせ、同時に「取り次ぎの道具」となって兄弟たちの眼差しをイエスのもとに差し出すよう招かれている、と説かれた。
わたしたちの温和さ、もてなしを通して、イエスの優しさに満ちた御顔を伝えるために、教会の扉を、また何よりも自分たちの心を人々に開こう、と呼びかけた教皇は、人生に傷ついた人々が、わたしたちの受容、励まし、抱擁によって「確かな港」を見出すことができるようにと願われた。
こうして、教皇はマルセイユの教会関係者と聖母に祈りを捧げられた。