教皇「人は働くだけでなく、祝祭にも召されている」

　教皇フランシスコは、3月20日、イタリアの移動遊園地興行者連合の代表者らに挨拶をおくられた。

　町の広場からまた別の町へと旅する移動遊園地が、ここ数年パンデミック危機の大きな影響を受けたことを教皇は気遣われつつ、現在その活動が徐々に再開していることを喜ばれた。

　「福音の喜びは、イエスと出会う人々の心と全生活を満たす」（使徒的勧告『福音の喜び』n.1）と述べた教皇は、人々に喜びをもたらすという移動遊園地の召命は、広い意味で福音宣教に貢献するものと指摘。そのために常に信仰的まなざしに心と生活を開くようにと励まされた。

　教皇は、移動遊園地が生み出す素直で純粋な喜びと祝祭の感覚は、メディアにあふれる常に新しい人工的刺激とは異なるものと述べ、それは暗く重苦しい空気がただよう今日の世界において、心が喜びに満たされるための鍵はシンプルさにあることを思い出させてくれる、と話された。

　また、教皇は、各自が携帯電話やコンピューターの世界に閉じこもりがちな時代、外に出て仲間と共に過ごすことの大切さに触れられた。

　「人はただ働くだけでなく、また祝祭にも召されている。神はわたしたちが兄弟たちと共に素直さをもって祝うことを喜ばれる」と述べた教皇は、移動遊園地関係者の仕事に感謝を述べ、これらの人々に「旅する人の母」聖マリアの支えを祈られた。

　この集いには、移動遊園地で使徒職に励む、「イエスの小さい姉妹の友愛会」のジュヌビエーヴ修道女の姿があった。教皇は、この日80歳の誕生日を迎えた同修道女にお祝いの言葉を述べ、参加者らはバースデーソングを合唱した。