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「あなたがたに平和があるように」教皇、キンシャサでミサ

教皇フランシスコは、訪問先のコンゴ民主共和国でミサをとり行われた。

 教皇フランシスコは、2月1日、司牧訪問先のコンゴ民主共和国でミサを捧げられた。

 首都キンシャサに到着した前日31日、大統領や、政府要人、各界代表に挨拶をおくられた教皇は、訪問2日目、信者たちのために宗教行事をとり行われた。

 この教皇ミサには、約3千人の司祭と共に、同国全土から訪れた多くの信者たちが参加。ミサ会場となったンドロ空港には、およそ9千人のボランティアと、2500人の医療スタッフ、7500人の警官が配置された。

 教皇はミサ開始前に、特別車「パパモービル」で会場を一巡。教皇を迎え喜びにあふれる信者らに祝福を与えられた。

 ミサは「平和と正義」を意向とし、フランス語とリンガラ語で捧げられた。信徒の祈りは、スワヒリ語、コンゴ語、ルバ語でも行われた。

 教皇はこのミサで、「喜び」「平和」をテーマにした説教を行われ、復活されたイエスを見た弟子たちの喜び(参照 ヨハネ20,20)、イエスが弟子たちに言われた「あなたがたに平和があるように」という言葉(同20,19)を観想された。

 復活した主を見て驚き喜ぶ弟子たちに、イエスが向けた「あなたがたに平和があるように」という言葉は、単なる挨拶ではなく、一つの「委託」である、と教皇は強調。

 ベツレヘムでの降誕の夜に天使たちが告げた平和(ルカ2,14)、イエスが弟子たちに残し与えることを約束された平和(ヨハネ14,27)は、この時初めて弟子たちに荘厳に託され、そしてこのイエスの平和は、ミサを通して毎回わたしたちにも託され続けている、と話された。

 復活されたイエスが弟子たちの前に現れた時、弟子たちはイエスの十字架上の死を見て挫折し、師を置いて逃げた罪の意識に苦しみ、またイエスと同じ運命をたどることを恐れ、おびえていた。イエスが平和を告げた時、弟子たちの心は瓦礫のようであり、イエスが伝えるいのちに対し、弟子たちの心は死に満ちていた、と教皇は指摘。

 すべてが終わったと思われた時、平和がもはや不可能に見えた時に、イエスは弟子たちに平和を宣言された。暴力や戦争で希望を失った世界において、今日もイエスはキリスト者たちに「あなたがたに平和があるように」と告げ、今度はわたしたちが世界にその平和を伝えるようにと招いている、と語られた。

 教皇は、イエスの平和を育て守る力をくみ取る3つの源泉として、「赦し」「共同体」「福音宣教」を挙げられた。

 特に赦しの重要性を示された教皇は、「キリストは平和をもたらすために、ご自身の赦しによってわたしたちに塗油し、わたしたちに他者を赦す勇気を、『心の大赦』を行う勇気を与えてくださる」、「怒りや良心の呵責、あらゆる怨恨やねたみから、心を清められることはどれほど素晴らしいことだろうか。いまこそ、イエスの赦しを受け入れ、体験する恵みの時である」と説かれた。

 また、「心と家の扉を開き、平和を迎えることはいかに美しいことか。自分の部屋に、家の外に『あなたがたに平和があるように』と記し、それを祖国のための預言、神の祝福として示そうではないか」と呼びかけられた。

 「わたしたちは平和の宣教師となるように召されている」と述べた教皇は、民族や、地域、社会、宗教、文化の違いを乗り越え、他者を兄弟姉妹として受け入れ、暴力の連鎖、憎悪の糸を断ち切るようにと、コンゴ民主共和国の人々を励まされた。

01 2月 2023, 13:49