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灰の水曜日:教皇「四旬節は本質に立ち返り、神と和解する時」

教皇フランシスコは、2月22日、ローマ市内の聖サビーナ教会で「灰の水曜日」の儀式をとり行われた。

 カトリック教会の典礼暦は、2月22日、「灰の水曜日」を迎えると共に、復活祭前の準備期間、「四旬節」に入った。

 四旬節は、キリストが公生活に入られる前、荒野で40日間の断食を行われたことを思い起こし、灰の水曜日から復活祭までの主日(日曜日)を除く40日間、悔悛と祈り、断食や節制、施しや愛徳の実践を通し、キリストの復活の記念によりよい形で与る準備をする期間である。

 四旬節の初日「灰の水曜日」には、信者たちが死と痛悔の象徴である灰を額や頭に受ける、「灰の式」が行われる。この儀式には、前年の「受難の主日」(「枝の主日」とも呼ばれる復活祭の一週間前の日曜日)」に祝別されたオリーブやシュロ等の枝を燃やした灰が用いられる。

 「灰の水曜日」の夕方、教皇フランシスコは、ローマのアベンティーノ地区にある聖サビーナ教会でミサを捧げられ、その中で「灰の式」をとり行われた。

 ミサの開始前、同じくアベンティーノの丘の上に建つ聖アンセルモ教会から、聖サビーナ教会まで、伝統の宗教行列が行われた。

 諸聖人の連祷が唱えられる中、十字架を先頭に、司祭、助祭、聖アンセルモ教会のベネディクト会士、聖サビーナ教会のドミニコ会士、司教、枢機卿らが続き、教皇庁内赦院の院長マウロ・ピアチェンツァ枢機卿が最後尾を歩んだ。そして、静かな、緑に囲まれた一角を行列は厳かに進みながら、教皇が待つ聖サビーナ教会へと入っていった。

 聖サビーナ教会で行われたミサの説教で、教皇は、「今や、恵みの時、今こそ、救いの日」(2コリント6,2)という使徒聖パウロの言葉に助けられつつ、四旬節の精神の中に入っていくよう皆を招かれた。

 四旬節は、本質に立ち返り、余計なものを脱ぎ捨て、神と和解し、はかない人間の塵の間に隠れて住まわれる聖霊の火を掻き立てる時、と教皇は強調。

 この「灰の式」でわたしたちは「今こそ、心からわたしに立ち帰れ」(ヨエル2,12)と言われる神の言葉に耳を傾け、「主のみが神であり、自分たちはその御手で創られたものに過ぎない」という本質的な真理を再び思い起こし、神と兄弟たちのもとに立ち返るように呼ばれている、と説かれた。

 灰の式で、教皇は灰を祈りと聖水で祝別。マウロ・ピアチェンツァ枢機卿からご自身の頭に最初に灰を受けた後、同枢機卿にも灰を授けられた。

 これに続いて、ミサの参加者らも、ピアチェンツァ枢機卿や司祭たちの手を通して、十字のしるしと共に与えられる灰をそれぞれの額に受けていた。

23 2月 2023, 13:21