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教皇「神の恵みを無駄にせず、戦争や暴力に抵抗すべき」

「キリスト教一致祈祷週間」の最終日、教皇フランシスコは、ローマの聖パウロ大聖堂で、エキュメニカルな夕べの祈りを主宰された。

 「聖パウロの回心」の祝日、1月25日、「キリスト教一致祈祷週間」は最終日を迎えた。

 教皇フランシスコは、同日午後、ローマの「城壁外の聖パウロ大聖堂」(サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ)で、エキュメニカルな夕べの祈りを主宰された。

 毎年行われるこの祈りの集いには、イタリアとローマにおける正教会やプロテスタントの諸教会の代表者らが参加した。

 教皇はこの中で、今年の「キリスト教一致祈祷週間」のテーマ、「善を行い、正義を追い求めなさい」(参照 イザヤ1,17)を念頭に説教を行われた。

 この集いで朗読されたイザヤ書の一節(1,12-18)に、教皇は、人々の無関心や暴力に対する神の苦しみを見つめられた。

 そして、「キリスト教徒を自認する者たちによる戦争や暴力を見ざるを得ない神の苦しみは、いかばかりか」と問われた。

 教皇は、「使徒聖パウロに倣い、わたしたちに与えられた神の恵みを無駄にしないためには(参照 1コリント15,10)、戦争や、暴力、あらゆる場所に忍び込む不正義に抵抗すべきである」と説かれた。

 今年の祈祷週間のテーマが、ミネソタのキリスト者のグループによって、過去の人種差別問題を意識しながら選ばれたことに言及しつつ、教皇は、様々な形の軽蔑や、人種差別、無関心、暴力を前に、神のみことばは「善を行い、正義を追い求めなさい」とわたしたちに警告している、と話された。

 教皇は、「悪を告発するだけでは十分ではない。悪を捨て、悪から善へと移ることが必要」と述べ、回心によって変わることの大切さを訴えられた。

 「神とその恵みなしでは、わたしたちは罪を認めることもできない。神の恵みこそがわたしたちの刷新の源泉である」と語る教皇は、神なしでは何もできないことを自覚し、神の恵みと助けを乞うことではじめて、わたしたちは「すべての人を一つに」(ヨハネ17,21)とのイエスの願いのとおり、真に一致することができるだろう、と話された。

 

26 1月 2023, 11:24