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教皇フランシスコ 2022年11月13日「貧しい人のための世界祈願日」のミサ バチカン・聖ペトロ大聖堂 教皇フランシスコ 2022年11月13日「貧しい人のための世界祈願日」のミサ バチカン・聖ペトロ大聖堂  (Vatican Media)

貧しい人のための祈願日:教皇「闇に希望の光を灯し、福音の証しを」

カトリック教会の「貧しい人のための世界祈願日」、教皇フランシスコはバチカンでミサを捧げられた。

 カトリック教会は、11月13日(日)、「貧しい人のための世界祈願日」を記念した。

 教皇フランシスコによって創設され、毎年、典礼暦の年間第33主日に記念される「貧しい人のための世界祈願日」は、今年で第6回目を迎えた。

 同日、教皇はバチカンの聖ペトロ大聖堂で貧しい人々のためのミサをとり行われた。

 このミサには、ホームレスの人々や難民・移民など、ローマ教区のカリタスや諸団体の支援を受けている人々も多数参加した。

 教皇はミサの中で、この日の福音朗読箇所、ルカ福音書の一節(21,5-19)を取り上げ、説教を行われた。

 この箇所で、イエスは神殿の外見的な美しさに見とれている人々に、神殿の崩壊の時と終末の徴について予告している。

 教皇は、この世のすべてのものと同様、人の手で築かれた神殿は滅びるが、重要なのは今生きている時のしるしを識別し、歴史上の様々な出来事の中で福音の弟子として留まることである、と話された。

 そして、時のしるしの識別に役立つものとして、この箇所でイエスが言う「惑わされないように気をつけなさい」(ルカ21,8)、「それはあなたがたにとって証しをする機会となる」(同21,13)という2つの言葉を示された。

 教皇は、イエスの言葉は、この「貧しい人のための世界祈願日」において、わたしたちの塞がれた心の耳を開け、弱い立場にある人々の苦しみの叫びを聞くようにとの警告である、と指摘。

 今日の世界で見られる暴力や、不正義、迫害、またパンデミックや、気候変動、戦争などの危機、難民や移民、失業者らの苦しみを前に、もし、わたしたちの心が無反応ならば、人々の苦悩の叫びを聞き、その悲しみを分かち合うことはできないだろう、と語られた。

 イエスが「惑わされないように気をつけなさい」と言われるように、こうした危機の中で安易な解決をうたうポピュリズムや、利益の名のもとに一部の人を富ませ、貧しい人たちを隅に押しやる偽のメシアに惑わされてはならない、と教皇は強調。

 むしろ、「それはあなたがたにとって証しをする機会となる」というイエスの教えに従い、闇の中に希望の光を灯すことで、福音の喜びを証しし、兄弟愛に満ちた世界を築いて欲しい、と信者らに願われた。

 教皇はこのミサに続き、日曜正午の祈りの集いを行われ、その後、バチカンのパウロ6世ホールで貧しい人々と昼食を共にされた。

13 11月 2022, 16:19