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教皇「平和を築くためには、他者へのいたわりが必要」

教皇フランシスコは、平和教育のためのイタリアの生徒・教師らの集いに参加された。

 教皇フランシスコは、バチカンで11月29日、平和教育プログラムに参加する生徒・教師たちとお会いになった。

 「平和のために、いたわりとともに」をテーマにしたこのプログラムは、イタリア国内の「平和の学校ネットワーク」によって企画されたもの。

 同ネットワークは、すべての学校の教育計画に平和と人権をめぐる教育の機会を設けることを目指し、およそ30年前に誕生した。

 教皇との出会いには、イタリア全土からおよそ6千人の生徒・教師らが集い、会場のパウロ6世ホールを歓声で満たした。

 参加者らへの挨拶で教皇は、「平和のために、いたわりとともに」というテーマにあるように、平和を築くためには、他者へのいたわりが必要、と強調。

 他者をいたわることの最高の模範として、福音書中の善きサマリア人のたとえを示された。

 善きサマリア人は道端に倒れていた見知らぬ人を介抱したが、この瀕死の負傷者が良い人か、ならず者か、金持ちか、貧者か、ユダヤ人か、外国人かは知らなかった。しかし、彼は「その人を見て憐れに思った」(参照 ルカ10, 33)。他の人たちは彼を見たにもかかわらず、通り過ぎてしまったが、善きサマリア人は多くを自問せず、憐みという心の動きに従った、と教皇は述べた。

 わたしたちの時代にも、平和のために働き、助けを求める人々をケアする人たちの、力強い証しと出会うことができる、と教皇は説き、これらの証し人の中でも、特に冷戦と核の脅威の時代に対話と非武装による平和的解決を呼びかけた聖ヨハネ23世、またアメリカにおいて人種差別と闘い、正義と自由と平等の世界を皆に夢見させたマーティン・ルーサー・キング牧師の名を挙げられた。

 教皇は、青少年たちにも、今日と未来のために、ヨハネ23世やキング牧師のような大きな夢と理想を抱いて欲しいと願われた。

 そして、待降節に入った今、受け入れ、出会い、理解、寄り添い、ゆるし、奉仕の態度など、毎日の小さな行いを通して、平和の君、また平和そのものであるイエスとの出会いに向かって歩んでいくよう、参加者らを励まされた。

29 11月 2022, 12:43