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教皇フランシスコ 2022年9月21日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場 教皇フランシスコ 2022年9月21日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場  (Vatican Media)

カザフスタン訪問を報告、教皇一般謁見

教皇フランシスコは、9月21日(水)の一般謁見で、先日のカザフスタン司牧訪問について報告された

 教皇フランシスコは、9月21日、バチカンの聖ペトロ広場で、水曜日恒例の一般謁見を行われた。

 この席で教皇は、先週行った3日間にわたるカザフスタン司牧訪問(2022年9月13日‐15日)について報告された。

 教皇の講話の要旨は次のとおり。

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 先週、わたしは中央アジアの広大な国、カザフスタンを訪れた。この訪問は「世界伝統宗教指導者会議」への参加を主な目的としたものであった。

 カザフスタン当局が20年前から開催している同会議は、宗教界における出会いと対話の場所として、また平和と人類の兄弟愛の積極的な推進者としての役割を世界に示してきた。3年ごとに開催される同会議は、カザフスタン独立から30年の間に、すでに7回を重ねている。

 これは、傾聴し合い、多様性を尊重する世界構築のための取り組みの中心に宗教を据えることを意味している。体制のくびきから解放された後、カザフスタン政府は、原理主義、過激主義を断固として退けながら、文明の道を示している。

 同会議は討議を経て最終宣言を採択した。これは2019年アブダビで署名された人類の兄弟愛をめぐる共同文書の精神の継続を表すものであった。

 こうした実りに至るまでには、聖ヨハネ・パウロ2世が1986年に行った歴史的な平和のための諸宗教の集いや、聖ヨハネ23世や聖パウロ6世、また他宗教ではマハトマ・ガンディーなどに代表される偉大な人々の先見的眼差しを経た、遠い道のりがあったといえる。

 また同時に、神と平和と兄弟愛への忠実のために自らのいのちを犠牲にした、あらゆる国々の多くの殉教者たちをどうして忘れることができようか。荘厳な機会は大切だが、日常生活の努力や具体的な証しこそが、すべての人のためのより良い世界を築くのである。

 カザフスタン訪問では、世界伝統宗教指導者会議への参加のほかに、大統領や、同国の要人、現地の教会共同体との出会いを持つことができた。国内の各界代表との会見では、カザフスタンの「出会いの国」としての召命を強調した。実際、同国ではおよそ150の民族が共存し、80以上の言語が話されており、このような召命は励まされ、支えられるに値する。さらに、同会見では、カザフスタンが社会全体の要求に効果的に応えられる成熟した民主主義の構築にこれからもまい進できるように願った。

 カザフスタンの教会共同体との出会いは、喜びと情熱に満ちたものであった。広大な同国においてカトリックはごく少数派である。しかし、こうした状況を信仰をもって生きるならば、福音の実りをもたらすことができるだろう。そこには、主だけに信頼した小さき者、パン種、塩、光であることの幸いがある。また、数的な不足により、他のキリスト教会をはじめ、皆との兄弟的関係を育てることに招かれている。小さな群れであるからといって、自らを閉ざすのではなく、聖霊の働きに信頼し開いたものである必要がある。

 この出会いでは、長い迫害の時代、信仰のために大きな苦しみを受けた神の聖なる民の殉教者たちをも思い起こした。

 ヌルスルタンでとり行ったミサでは、「十字架称賛」を祝った。進歩と退化が交差する世界で、神の愛に基づくキリストの十字架は、救いの錨(いかり)、失望させることのない希望であり続ける。神にこの訪問を感謝し、それがカザフスタンの未来と同国の教会生活に実りをもたらすことを祈りたい。

21 9月 2022, 14:49