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ジョセフ・トムコ枢機卿      ジョセフ・トムコ枢機卿  

ジョセフ・トムコ枢機卿逝去、福音宣教省元長官

福音宣教省元長官、国際聖体大会委員会元議長のジョセフ・トムコ枢機卿が98歳で逝去した。教皇フランシスコは弔電で同枢機卿の深い信仰と献身、祈りの精神を振り返った。

 教皇庁福音宣教省長官、国際聖体大会委員会議長などを歴任した、スロバキア出身のジョセフ・トムコ枢機卿が、8月8日、療養先のローマで亡くなった。98歳の同枢機卿は、枢機卿会の中で最高齢であった。

 トムコ枢機卿は今年6月下旬、頸椎骨折のためローマ市内の病院に入院、今月より自宅で療養を続けていた。

 今年4月末、トムコ枢機卿は、教皇フランシスコとスロバキアの巡礼団との出会いに出席。教皇は、「トムコ枢機卿の存在は、教会は高齢を恵みとして尊ぶ家族であることを感じさせてくれる」と、同枢機卿に温かい挨拶をおくっていた。

 8日、トムコ枢機卿の訃報に接した教皇は、スロバキア・コシツェ大司教区のベルナルド・ボーベル大司教に宛て弔電をおくられた。

 教皇はこの中で、「尊敬する賢明なる兄弟」であるトムコ枢機卿が、深い信仰と先見ある眼差しをもって、謙遜と献身のうちに福音と教会のために尽くし、教皇庁で長く実りある奉仕を行ったことに感謝を表された。

 また、教皇は、トムコ枢機卿が高齢においても聖ペトロ広場で毎日熱心にロザリオの祈りを唱え、聖母マリアへの愛を巡礼者や旅行者に公に証ししていたことに、祈りの精神を見た、と振り返りつつ、「主の忠実なしもべ」であった同枢機卿の冥福を心から祈られた。

 ジョセフ・トムコ枢機卿は、1924年、チェコスロバキア共和国(今日のスロバキア)のウダヴスケに生まれた。ブラチスラバで神学を学んだ後、ローマで神学・教会法・社会科学を修める。1949年、司祭叙階。1950年、ローマの教皇庁立ネポムク神学院副院長。1966年、教理省教理部門室長。1974年、司教省次長。1979年、シノドス事務局長、ドクレア名義大司教。1985年4月、福音宣教省長官代理。同年5月、枢機卿に任命、福音宣教省長官、および教皇庁立ウルバノ大学理事長(〜2001年)。2001年、国際聖体大会委員会議長(〜2007年)。

 トムコ枢機卿の逝去によって、現在の全枢機卿数は206人、そのうち教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は116人、投票権を持たない80歳以上の枢機卿は90人となった。また、最高齢の枢機卿は、アンゴラのアレクサンドル・ド・ナシメント枢機卿(97歳)となった。

08 8月 2022, 18:43