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教皇フランシスコ、イエズス会のカナダ管区の会員らと 2022年7月29日 ケベック大司教館 教皇フランシスコ、イエズス会のカナダ管区の会員らと 2022年7月29日 ケベック大司教館  (Vatican Media)

教皇とカナダのイエズス会会員の対話を振り返る

教皇フランシスコは先日のカナダ訪問で同国のイエズス会会員らとの集いを持った。「チビルタ・カットリカ」誌は、その際の教皇と会員らの対話を振り返った。

 教皇フランシスコは、先日行われたカナダ司牧訪問の折、同国のイエズス会会員らとの出会いを行われた。

 7月29日(金)、ケベック・シティーにあるケベック大司教館で行われたこの集いには、カナダのイエズス会会員の中から15名が参加し、教皇と約1時間にわたる対話の機会を持った。

 この集いに同席した「チビルタ・カットリカ」誌の編集長、イエズス会士アントニオ・スパダーロ神父は、このたび同誌の中で、その際の対話の内容を振り返った。

 この対話の中で教皇は、カナダへの訪問は個人的には3度目であると述べ、1970年代に修練長としていくつかの国を訪問した際に同国を訪れたこと、また2008年、ケベックで開催された国際聖体大会のために2度目の訪問を果たしたことを紹介された。

 まだ歩みの途中であるカトリック教会と先住民の人々との和解のプロセスについて、教皇は、「最も重要なことは、司教団が意思を一つにし、この問題を受け入れ、前進していったこと」と、カナダの司教団の一致を模範として示し、「司教団がまとまっている時、直面する課題によりよく対応することができる」と話された。

 教皇は、「共に歩む」というカナダ訪問のモットーについて、ただ歩むだけでなく、一緒に歩むことの大切さを強調。「早く行きたいなら、一人で行きなさい。安全に行きたいなら、共に行きなさい」という先人の教えを引用された。

 シノドスをめぐり、教皇は「シノドスは、政治的な集会でも、議会的な決議のための委員会でもない。それは聖霊を主役とする、教会の表現である。聖霊の存在がなければ、シノドスもない。それがたとえ民主主義や議会、討論をもたらしても、シノドスはそこにない」と語られた。

 さらに、典礼と教会の一致について、教皇は30年前のラテンアメリカで典礼が恐ろしくゆがめられたことがあった一方で、その後に行き過ぎた懐古主義が現れたことを思い起こしつつ、自身の典礼についての態度を「古い儀式を認めると共に、それについての審査を命じたヨハネ・パウロ2世とベネディクト16世の方針」に従うもの、と説明。そして、最近の審査によって、それが流行となることを防ぎ、あくまで司牧上の問題に留めるためには、この件に規律が必要だということがわかった、と述べた。また、「この重要なテーマについての考察をより完全なものとするための研究が行われることだろう」「なぜなら、典礼は神の民の公的な神への賛美だからだ」と話した。

 イエズス会のカナダの管区は、ハイチを管轄地域として含んでいることから、この集いにはハイチ出身の会員も参加した。現在のハイチの状況をめぐり、教皇は「ハイチは、取るべき正しい道が見出せず、カルワリオに置かれている」と、困難を生きる同国民に思いを寄せられた。教皇は、教会としては、祈りと悔い改めを通して人々の希望を支えることが大切と話し、この危機から脱するための具体的な解決の模索を励まされた。

03 8月 2022, 17:02