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ウクライナ・マリウポリ  2022年5月2日 ウクライナ・マリウポリ 2022年5月2日 

教皇「モスクワに行く意志ある」伊紙編集長との対談で

教皇フランシスコは、イタリアの新聞編集長との対談で、戦争を止めるために、モスクワを訪問する意志がある、と語った。

 教皇フランシスコは、イタリアの「コリエーレ・デラ・セーラ」紙のルチアーノ・フォンターナ編集長、およびフィオレンツァ・サルツァニーニ副編集長と、バチカンのサンタ・マルタ館において対談した。

 この対談は5月3日付の同紙に掲載された。

 対談の冒頭、教皇は椅子に座ったままで挨拶することを詫びながら、しばらく続いている膝の痛みのために、注入療法を受ける予定であると告げている。

 教皇と編集長らとの会話は、主にウクライナにおける戦争をめぐって展開された。

 教皇は、戦争開始直後のウクライナのゼレンスキー大統領への電話や、駐バチカン・ロシア大使館への訪問を思い起こす一方で、モスクワを訪れプーチン大統領と話す意志を持っていることをも明らかにした。

 この中で教皇は、「戦争開始から20日後、パロリン枢機卿を通し、自分はモスクワに行く意志があるというメッセージをプーチン大統領に伝えさせた。クレムリンの指導者が何らかの窓口を認めることは当然必要だと思った。まだその返事は受け取っていない。もっとも、プーチン氏にとって今この会見を持つことは不可能で、また望んでいないとも思われるが、われわれは返事を求め続けている。このすべての残忍さを、止めないわけにはいかない。わたしたちは25年前にルワンダで同じことを見たはずだ」と話した。

 教皇はウクライナ訪問をめぐり、「キーウへは今は訪問しない。[…]行くべきでないと感じている。まずモスクワに行って、プーチン氏と会うべきだ。しかし、わたしも一人の聖職者だ。何ができるだろうか。自分にできる限りのことをするまでだ。もし、プーチン氏が扉を開くならば…」と述べた。

 さらに、モスクワ総主教キリル1世と共に行動する可能性を問われた教皇は、3月15日にキリル総主教と行った40分のビデオ会談で、同総主教がこの戦争を正当化するための理由を読み上げたことに言及。

 これについて教皇は、「わたしはそれを聞き、これはまったく理解できない、と言った。兄弟よ、われわれは国家の聖職者ではない。政治的言語ではなく、イエスの言葉で話さなくてはならない、と。わたしたちは同じ聖なる神の民の司牧者だ。それゆえ、わたしたちは平和の道を探し、戦争を止めなくてはならない。総主教はプーチン氏の侍者(祭壇奉仕者)になることはできない。わたしはキリル総主教と6月14日に会見する予定だった。それは戦争とは関係のない、わたしたちの二度目の直接の会見となるはずだった。しかし、今では、中止しよう、曖昧な印象を与えるかもしれない、という意見で一致した」と、このように話した。

03 5月 2022, 17:15