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教皇フランシスコ 2022年4月27日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場 教皇フランシスコ 2022年4月27日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場  (Vatican Media)

「家族の絆、神に祝福された絆」教皇一般謁見

教皇フランシスコは、4月27日(水)、バチカンで一般謁見を行われた。

 教皇フランシスコは、4月27日、バチカンの聖ペトロ広場で、水曜恒例の一般謁見を行われた。

 この日、教皇は「老年の意味と価値」をめぐるカテケーシスで、旧約聖書「ルツ記」をテキストに、「ナオミ、未来を開く世代間の絆」をテーマに講話された。

 教皇のカテケーシスの要旨は次のとおり。

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 今日は、聖書の中の宝石とも言える「ルツ記」に見られる家族の絆の美しさを味わいたいと思う。

 ルツが結婚によって築いた関係は、単なる夫婦の絆を超え、その献身と忠実によって、世代間、親類、一族全体を包む絆となっていった。

 世間一般において、婚姻によって生まれた関係、特に姑と嫁の関係は、ルツ記のストーリーとは反対であるかのように言われている。しかし、信仰の息吹は世間の先入観とは異なる境地を開かせ、それは社会全体にも尊いものをもたらす。

 ルツ記は、世代間の絆についても貴重な教えを含んでいる。そこでは若さが年配者に活気を与えることを発見する一方で、年配者は若い人に対し新たな未来を開く手助けができることを発見する。

 二人の息子を亡くした寡婦ナオミは、二人の嫁に、自分の里に帰るようにと愛情深く諭した。自分が生まれ育った場所ではない土地で異邦人として生きていく若い嫁たちの将来を悲観したからである。しかし、ルツはこの寛大な配慮を断り、ナオミのもとに留まる決意を示した。婚姻によって生まれたこの家族の絆は、神に祝福された絆であった。

 ルツは再婚し、すべては平穏に収まった。イスラエルの女たちはナオミの前で異邦人出身の嫁ルツを「七人の息子にも勝る嫁」と呼び、その結婚は神の祝福を受けたものになるだろうと言った。ナオミは老年において新しい命の世代に参与する喜びを得た。ナオミの回心は、夫を失い見捨てられかけた若い嫁の未来のために愛をもって関わることを可能とした。

 姑と嫁の関係に対する一般的な先入観は、修復不可能な亀裂を生みかねない。しかし、信仰と愛はそれを超えさせた。ナオミはルツの再婚を喜び、イスラエルの女たちは異邦人の嫁に対する不信を克服した。

 これらのすべては、民族的・宗教的偏見を超えた、若きルツの家族の絆に対するゆるぎない忠実さによるものであり、年配者ナオミのルツの未来に配慮した働きかけによるものである。若者たちが自分の受け取ったものに感謝の心を持ち、年配者らが若者たちの将来のために行動を起こすならば、民の間に神の祝福が花開くだろう。

27 4月 2022, 14:47