教皇「いかなる形の虐待も容認できない」
教皇フランシスコは、4月29日、教皇庁未成年者保護委員会メンバーらとお会いになった。
同委員会はこのたび定例総会を開催していた。
総会最終日に行われたこの集いで、教皇は、いかなる形の虐待も容認できないものであり、特に子どもたちに対する虐待は成長期の生活を傷つけるゆえにいっそう重大である、と述べた。
虐待の被害者は、しばしば生と死の間に閉じ込められたかのように感じており、その苦しみは、取り去ることのできないものである、と教皇は語られた。
虐待被害者の証言はキリストのからだ=教会に開いた傷口である、と述べた教皇は、同委員会がこの傷の存在を知らせるために、また苦しむ人々を探し、これらの人々の中に苦しむキリストを見出すために、勇気をもって働いて欲しいと励まされた。
そして、司教、修道会の長上、司祭、助祭、奉献生活者、カテキスタ、信者、これら教会のすべての要員がそれぞれの立場から、虐待の防止と、正義、いやしのために責任を負うことが求められている、と話された。
教皇は、最近発表された使徒憲章「プレディカテ・エヴァンジェリウム」によって、今後、未成年者保護委員会が教皇庁の一部として正式に教理省の中に設立されることを説明。このように教理省内に位置づけられる一方で、委員会の管理者とメンバーは、教皇から任命された会長を通して、教皇との直接的な関係を保ち続けることができる、とその独立性を強調された。
教皇は、虐待被害者の保護とケアが教会生活のあらゆる分野において規則となるよう取り組むことを、同委員会のさらなる使命として示された。
また、教皇は、虐待被害者の心身の健康と司牧のための援助と対応を、同委員会の急務の課題とされた。
教皇は、同委員会が早くから虐待被害者らとの出会いと傾聴の場を設けてきたことが、苦しみを体験した人々に対するご自分の司牧上の使命において大きな助けとなってきた、と指摘。
各司教協議会が、虐待被害者と家族のために、受け入れと傾聴、癒しと正義の歩みを共にするための機関を設けることができるよう、同委員会の助けを願われた。