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ウクライナ・キエフで住民らに食事を準備するボランティアの人々 2022年3月11日 ウクライナ・キエフで住民らに食事を準備するボランティアの人々 2022年3月11日 

駐ウクライナ教皇大使:人道危機の中の大きな連帯

駐ウクライナ教皇大使クルボカス大司教は、ウクライナの人道危機の深刻さを語ると共に、その中での大きな連帯に触れた。

 駐ウクライナ教皇大使ヴィスヴァルダス・クルボカス大司教は、このたびカトリック系基金「苦しむ教会への助け」のインタビューに答え、ウクライナの人道危機の深刻さを語ると共に、その中での大きな連帯に触れた。

 クルボカス大司教は、ウクライナの「人道危機は非常に重大であり、その心配が常に心を占めているが、いつでも助けを差し伸べることが可能という状態になく、時にはカリタスや赤十字のような団体でさえも何もできないことがある」と過酷な現状を述べた。

 同大司教は、戦争勃発直後の数日間の対応の困難さを語る一方で、カトリックだけでなく、正教会や、イスラム教などの組織が皆、食糧の配給や、電気・暖房がない場所等、最も厳しい状況下にいた人たちの避難を手伝うなど、その連帯はまさに「トータル」なものであった、と話した。

 そして、この間、教皇大使自身は、援助を組織し、介入を願うために、長時間電話をし続けた、と語った。

 大きな不安の中で、人々は勇気を示している、と大使は述べ、「皆が一緒にこの悲劇に立ち向かうべきと感じ、互いに助け合い、多く祈っている」と話した。

 大使は、皆がこの「現実とは思われない」状態を「映画のように」感じている、とも語り、このような中で「自分自身と多くの信者たちに、わたしたちの根本的な武器は、謙遜さと神への完全な委託、連帯と愛である、と言い聞かせている」と述べた。

 この戦争には何か悪魔的なものがあり、それに対して皆が「断食、祈り、大きな謙遜と愛」をもって答えることができる、と述べたクルボカス大司教は、「この悲劇的な戦争は、預言者イザヤが言うように、神を新しい眼差し、信頼の眼差し、謙遜と回心をもって見つめるようわたしたちを招いている」と話した。

 大使は、教皇が寄り添いの言葉だけでなく、2人の枢機卿を現地に派遣してくれたことに深い感謝を表明した。

 また、「苦しむ教会への助け」基金による、困窮している教区への援助、特にこうした教区で働く司祭や修道者への支援に感謝を述べつつ、破壊された多くの学校、病院などのために今後、再建・再編が大きな課題となるだろう、と語った。

11 3月 2022, 18:23