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教皇フランシスコとイタリア建設業組合関係者との出会い 2022年1月20日 教皇フランシスコとイタリア建設業組合関係者との出会い 2022年1月20日  (Vatican Media)

「人間と環境、労働の尊厳の尊重を」教皇、建設界関係者に

教皇フランシスコは、「イタリア建設業組合」関係者とお会いになった。

 教皇フランシスコは、1月20日、「イタリア建設業組合」の関係者との出会いを持たれた。

 1946年、建設分野に携わるイタリア国内の様々な企業によって創立された同組合は、昨年誕生から75周年を記念した。

 教皇は関係者への挨拶で、他の業界と同様、新型コロナウイルスによるパンデミック危機の影響を受け、困難な状況にある建設界に連帯を示された。

 そして、教皇は「競争と透明性」「責任と持続可能性」「倫理」「安全」などをテーマに、キリスト教精神に基づく仕事のあり方について話された。

 企業活動には競争性だけでは足りない、と述べた教皇は、利益追求だけの市場の論理は他者の排除にまで至ってしまう、と話された。競争は物事をより良く行うための刺激であるべきであり、支配と排除のためのものであってはならない、と語られた。

 こうした中、教皇は、しばしば労働者の仕事を奪い、不法な労働や低賃金労働の温床となる、フェアでない競争を避けるためにも、経済的選択における透明性が必要、と指摘された。

 また、教皇は、すべての企業は、資材や建設活動が人間と環境を尊重し、持続可能なものであるよう配慮することを通し、社会に責任ある貢献をしなくてはならない、と話された。

 さらに、教皇は、その持続可能性が、人間と環境との調和、人と人との出会いと絆、相互の連帯や協力を生むものとなることを願われた。

 教皇は、昨年イタリアで労働者の仕事における死亡が多く記録されたことに触れながら、労働者たちは数ではなく人間であり、企業の真の豊かさと資産はそこで働く人間にある、と強調。職場の安全を保証することは、人的財産を守ることであり、労働の尊厳を尊重すればするほど、企業活動の質と素晴らしさは増すものとなる、と説かれた。

 最後に、教皇は、労働者たちの保護者、聖ヨセフに建設関係者を託して祈られた。

20 1月 2022, 17:19