検索

「兄弟愛と完全な一致求め、共に歩もう」教皇、キプロス正教会に

教皇フランシスコは、キプロス正教会の聖シノドのメンバーと会見された。

 教皇フランシスコは、12月3日、訪問先のキプロスの首都ニコシアで、正教会の聖シノドのメンバーと会見された。

 この朝、教皇はキプロス正教会のクリソストモス2世大主教をニコシア市内の大主教館に表敬訪問、続いて、正教会の主教座聖堂で聖シノドの主教らに迎えられた。

 教皇はこの出会いで、かつてキプロス島で宣教した使徒パウロが、やがてはローマに到達することになる、その生涯の足跡を振り返りつつ、キプロスとローマの教会が共通の使徒的起源で結ばれていることを指摘。福音への熱い情熱という一本の道でつながる二つの教会が、さらなる兄弟愛と完全な一致を求めて同じ道を共に歩むことを願われた。

 また、キプロス出身で、同島の布教に大きく貢献した聖バルナバに触れた教皇は、「レビ族の人で、使徒たちからバルナバ –『慰めの子』という意味– と呼ばれていた、キプロス島生まれのヨセフ 」(使徒言行録4,36)の聖霊と信仰に満ちた人となりを思い起こされた。

 教皇は、すべての真の慰めは、慰めにとどまらず励ましとなる、と述べ、「慰めの子」バルナバは、掟の遵守を繰り返し説くのではなく、人々と出会い、人々の必要に関心を持つことを通して福音を伝えるようにと、わたしたちを励ましている、と話された。

 また、教皇は、バルナバが「持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた」(使徒言行録4,37)ことに言及。バルナバのこの素晴らしい行為は、交わりと宣教において活気を取り戻し、完全な一致を促進するために、わたしたちも自分を脱ぎ捨てる勇気を持つようにと教えている、と語られた。

 自分の持っているものを使徒たちの足もとに置いたバルナバは、皆の心の中に入っていった、と述べた教皇は、わたしたちもキリストのからだの一部であることを再発見するために、兄弟たちの足もとに身をかがめるよう主から召されている、とも話された。

 教皇は、クリソストモス2世大主教の言葉にあるように、教会は母である、と述べ、わたしたち皆を忍耐と優しさと勇気をもって引き寄せ、主の道を歩ませる母なる教会に信頼し、違いを乗り越え、同じ子として、母である教会のある場所に向かって歩んで行こう、と呼びかけられた。

 

 

03 12月 2021, 15:05