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キプロス:教皇「分裂から平和へと導く対話の道を」

教皇フランシスコは、訪問先のキプロスで、大統領および各界代表者らと会見された。

 教皇フランシスコは、キプロス訪問初日、12月2日(木)、ニコス・アナスタシアディス大統領および各界の代表と会見された。

 同日夕方、首都ニコシア市内の大統領官邸を訪問された教皇は、アナスタシアディス大統領と並び、官邸の前庭で歓迎式典に臨まれた。

 次いで、教皇は官邸内に大統領を表敬訪問、個人会談の後、贈り物の交換などが行われた。

 官邸のホールで行われた、キプロスの各界代表および駐在外交団との会見で、教皇は、ヨーロッパと中東に開く扉として、世紀にわたり「人々をつなぐ」役割を果たしてきた国、キプロス訪問の喜びを表された。

 キプロスを地中海の真珠にたとえられた教皇は、真珠貝に砂粒のような異物が侵入する時、その傷を覆う反応によって美しい真珠が生まれることを思い出された。

 キプロスにとって最も大きな苦しみは、ここ数十年、この地にもたらされた恐ろしい分裂である、と教皇は述べ、島全体の平和を祈ると共に、平和に導く唯一の道として「対話」の道を示された。

 忍耐強く、傷の元となった要素も一緒に含有しながら、新しい物質を織り成していく真珠のように、苦境の中で、憎しみに打ち勝ち、傷をいやすことを諦めず、未来の世代に平和な世界を渡すために努力するよう、教皇は励まされた。

 教皇は、今日、地中海が紛争と人道的悲劇を思い出させる場所となっていることを残念に思われ、美しい地中海が皆を分け隔てるものではなく、皆をつなぐ海となることを願われた。

 そして、地理的な、また歴史・文化・宗教的な交差路であるキプロスが、地中海における平和構築の生きた現場となることを望まれた。

02 12月 2021, 20:08