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教皇フランシスコ 2016年4月のギリシャ・レスボス島の難民施設訪問で 教皇フランシスコ 2016年4月のギリシャ・レスボス島の難民施設訪問で 

キプロスとギリシャへの訪問前に教皇のメッセージ

教皇フランシスコは、間もなく行われるキプロス・ギリシャ訪問を前に、両国の人々にビデオメッセージをおくられた。

 教皇フランシスコは、間もなくキプロスとギリシャへの二カ国訪問を行われる。

 この旅で、教皇は12月2日から4日早朝までキプロスを訪問、4日午前にギリシャ到着後、6日午前まで同国に滞在される。

 教皇は、今回の訪問を前に、キプロスとギリシャ両国の人々にメッセージをおくられた。

 ビデオを通し、教皇は次のように話された。

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 親愛なるキプロスとギリシャの皆さん、こんにちは。わたしたちの出会いまであと数日となりました。今、わたしは、歴史と文化、福音に祝福された皆さんの素晴らしいお国に巡礼するための準備をしているところです。

 福音の名のもとに、特にパウロとバルナバに代表される初期の偉大な宣教者の足跡をたどり、喜びをもって皆さんのお国に伺います。

 教会にとって、福音の喜びを改めて見出すために原点に帰ることは、素晴らしく、また大切なことです。こうした気持ちをもって、源泉へとさかのぼる巡礼に出かけます。どうか皆さんの祈りによってこの巡礼の準備を助けてください。

 皆さんとの出会いを通して、わたしは貴重な兄弟愛の泉で喉をうるおすことができるでしょう。わたしたちは普遍のシノドスの歩みを始めたところです。そこには「恵みのシノドス」があります。それは深い尊敬のもとに大いに望んでいた使徒的兄弟愛です。この訪問でわたしは、正教会の指導者、親愛なるクリソストモス2世大主教、とイエロニモス2世大主教にお会いします。わたしは信仰における兄弟として、平和の主の名において皆さんに迎えられ、お会いする恵みを得ることになるでしょう。

 そして、親愛なるカトリックの姉妹、兄弟の皆さん。この地に集う小さな群れを御父は優しく愛され、善き牧者イエスは「小さな群れよ、恐れるな」(ルカ12,32)と繰り返されます。愛情と共に皆さんのもとを訪れ、全カトリック教会の励ましを伝えたいと思います。

 ヨーロッパ大陸における聖地の「枝」キプロス、そして、古典文化の祖国ギリシャへの訪問は、わたしにとって、ヨーロッパの古い源泉によって渇きをいやす機会ともなるでしょう。

 今日も、地中海なくしてヨーロッパはあり得ません。地中海は福音の普及と偉大な文明の発展を見守りました。特に、パンデミックと闘い、気候変動危機が迫るこの時、多くの地を結ぶ地中海は、皆で一緒に航海するように、それぞれが自分勝手に分かれて進むことがないようにと招いています。

 地中海は多くの民族を抱擁します。地中海に面した様々な港は、生きることの源泉は相互の受け入れにあることを思い出させます。

 今からすでに皆さんの愛情に迎えられているのをわたしは感じます。この訪問の準備に携わる方々に感謝を申し上げます。一方で、ここ数年、そして今日も、戦争や貧困から逃れ、ヨーロッパ大陸や各地の海岸にたどり着き、そこで受け入れられることなく、人々の敵意にあったり、利用されている人々のことを思います。彼らはわたしたちの兄弟姉妹です。一体、どれだけの人々が海で命を失ったことでしょうか。今日、地中海は大きな墓場となりました。

 共に生きるための泉は兄弟愛と統合の中にのみ再び栄えるとの確信のもとに、人類の源泉への巡礼者として、わたしは再びレスボス島へと向かいます。共にあること。これ以外の道はありません。この夢をもって、わたしは皆さんのもとに参ります。

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、お会いできることを楽しみにしています。カトリック信者だけでなく、すべての方々との出会いを心待ちにしています。皆さんに神の祝福を祈りながら、皆さんのお顔、願い、心配、希望を今から神の御前に差し出したいと思います。どうかお元気で。

27 11月 2021, 17:28