死者の日:教皇、ローマのフランス兵戦没者墓地でミサ

教皇フランシスコは、「死者の日」のミサを、ローマのフランス兵戦没者墓地で捧げられた。

 教会暦で「死者の日」を記念した11月2日、教皇フランシスコは、ローマのフランス兵戦没者墓地でミサをとり行われた。

 ローマの北東地区、モンテ・マリオの丘の一角にあるフランス兵戦没者墓地には、第二次世界大戦のイタリア戦線で亡くなったおよそ2000人の兵士たちが眠っている。

 この朝、同墓地に到着された教皇は、糸杉やオリーブの木々に囲まれた戦没者たちの墓の間をゆっくりと歩まれ、白い薔薇を一本、一本、捧げながら、沈黙のうちに祈られた。

 ミサの説教で教皇は、北イタリアのある墓地で見た「ここを歩む者は、自分の歩みを思いなさい。自分の歩みの最後の一歩を思いなさい」という言葉を思い起こされた。

 教皇は、人生は歩みであり、それは単なる散歩でも、終わりのない迷路でもない、と述べ、人生をしっかり歩みながら、その中で最後の一歩をしるすことが大切と話された。

 また、この墓地の訪問で、祖国や理想を守るために招集され、各地の戦場で命を落とした多くの善良な人々を心に留めた教皇は、戦争とは祖国の子らを貪るもの、と強調。

 これらの戦争の犠牲者たちを前に、今生きているわたしたちは、戦争が起きないよう十分努力をしているだろうか、と問われた。

 ここに見る戦没者たちの墓、時には名前すら持たない人々の墓は、「兄弟姉妹たちよ、戦争を止めなさい!武器商人たちを止めなさい!」と叫び、「平和を!」と声を上げている、と、教皇は説かれた。

 墓地訪問後、バチカンに戻られた教皇は、聖ペトロ大聖堂地下の歴代教皇の墓前で祈りを捧げられた。

02 11月 2021, 15:47