船員の日:教皇「海にプラスチックを捨てないで」 船員の日:教皇「海にプラスチックを捨てないで」 

船員の日:教皇「海にプラスチックを捨てないで」

教皇フランシスコは、「船員の日」にあたり、海で働く人たちのために祈ると共に、「海の健康」を守るように呼びかけられた。

 7月11日(日)、カトリック教会の「船員の日」が記念された。

 「船員の日」は、毎年7月第2日曜日に記念されるもので、船員や漁業従事者など海上で働く人々とその家族のために祈り、これらの人々に対する教会の司牧活動への関心を促すことを目的としている。

 教皇フランシスコは、同日、入院先のローマ市内のジェメッリ総合病院で行われた正午の祈りで、今年度の「船員の日」に言及。

 海で働き、生活の糧を得ている人々の存在を思い起こされた教皇は、これらの人々のために祈られた。

 そして、教皇は、「海の健康を守ろう」と海洋の保護をすべての人々に呼びかけ、特に「海にプラスチックを捨てないように」と訴えられた。

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 教皇庁人間開発省(長官:ピーター・コドボ・アピア・タークソン枢機卿)は、2021年度「船員の日」のためにメッセージを発表した。

 その中で、パンデミックによる大きな影響を自ら被りながらも、医療・医薬品など感染症との戦いに不可欠な物資を運び続ける船員たちの状況を注視している。

 海運業はグローバル経済の重要な一部をなし、海上輸送は世界の物流量のおよそ90%を担い、そこでは170万人の船員が従事している、とメッセージは指摘。

 それにも関わらず、船員たちの「必須労働者」としての立場が広く認められず、わずかな国々でしか船員交替やワクチン接種に関する明確な方針が実施されていない、と述べている。

 また、メッセージは、パンデミックのために、2020年9月の段階で、帰国すべき約40万人の船員が船上で足止めされ、中には18ヶ月後にようやく帰宅できたケースもあったことを示しつつ、この状況によって船員たちは心身のストレスにさらされただけでなく、家族らの生活も大きな影響を受けることになった、と記している。

 そして、船主や海運会社らに、船員たちが単なる「労働力」ではなく、人間であることを認識するよう呼びかけながら、利益よりも人間の尊厳に基づいた労働上の手続きの発展をアピールしている。

11 7月 2021, 17:40