福者ロザリオ・アンジェロ・リヴァティーノ(1952-1990) 福者ロザリオ・アンジェロ・リヴァティーノ(1952-1990) 

福者ロザリオ・リヴァティーノ、正義と信仰の殉教者

イタリアのアグリジェントで、ロザリオ・アンジェロ・リヴァティーノ判事の列福式がとり行われた。

 イタリア南部アグリジェントで、5月9日(日)、ロザリオ・アンジェロ・リヴァティーノ(信徒・殉教者 イタリア1952-1990)の列福式がとり行われた。

 福者リヴァティーノは、アグリジェントの若き判事・検察官で、1990年9月21日、マフィアによって殺害された。

 教皇フランシスコは、同日正午バチカンで行われた祈りの集いで、同福者の列福について報告された。

 教皇は、福者ロザリオ・アンジェロ・リヴァティーノは、正義と信仰の殉教者であった、と述べ、判事・検察官としての社会への奉仕の中で、清廉さに満ち、決して不正に負けず、罪に定めるためではなく、贖いのための裁きを求めた、と話された。

 同福者は、自分の仕事を常に「神の保護の下」に託し、それゆえに、英雄的な死に至るまで福音を証しする者となった、と教皇は語った。

 教皇は、福者ロザリオ・リヴァティーノの生き方がすベての人々の模範となり、特に判事らにとって法と自由の忠実な擁護者になるための励ましとなるように、と祈られた。

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 福者ロザリオ・アンジェロ・リヴァティーノは、1952年、イタリア南部シチリア州アグリジェント県カニカッティに生まれた。

 高校時代は勉強のかたわら、カトリックアクションの活動に取り組んでいた。パレルモ大学で法学を修め、1978年、26歳で判事となった。カルタニセッタの裁判所で働いた後、アグリジェントの地方検察庁に入り、検察官を務めた。

 マフィア現象を深く研究し、強い意志をもって、複雑な事件の捜査と起訴を行った。自らの仕事と生活を福音の光の下に置き、いかなる不正、収賄の危険をも遠ざけ、清廉に任務を遂行するその深い信仰に培われた生き方は、マフィアの憎しみの対象となった。

 いのちの危険を自覚していた彼は、誰をもその危険に巻き込みたくないとの思いから警護を拒み、カニカッティの自宅とアグリジェント裁判所の間を常に一人で車で往復していた。

 1990年9月21日、裁判所に向かうため、いつもの通勤路である国道を運転していた時、マフィアに銃撃され、38歳で殉教した。

 教皇聖ヨハネ・パウロ2世は、1993年5月、アグリジェント司牧訪問の際、亡くなったリヴァティーノ判事の両親と面会した。そして、同地の「神殿の谷」で行った説教で、マフィアらに回心を力強く呼び掛けた。

09 5月 2021, 17:44