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「信仰と一致と真理を守ろう」教皇、ミャンマーの信者たちに

教皇フランシスコは、ミャンマーの信者たちと、バチカンでミサを捧げられた。

 教皇フランシスコは、5月16日(日)、ミャンマーの信者たちと、バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられた。

 これまでミャンマー情勢と市民の置かれた状況に心を寄せられてきた教皇は、同国の平和を祈るために、ローマ在住のミャンマー出身の信者たちと共に、このミサをとり行われた。

  ミサ中の第一、第二朗読と、いくつかの聖歌には、ビルマ語が使用された。

 説教で、イエスが弟子たちとこの世との別れを前に神に祈りを捧げる場面を観想された教皇は、特にイエスが「彼らを守ってください」(ヨハネ17,11)と祈っておられることに注目。

 イエスはご自身に世のすべての罪を引き受けながら、今この時もわたしたちを愛し、わたしたちのために祈っておられる、と話された。

 教皇は、イエスの祈りにある、「守る」という動詞を取り上げながら、ミャンマーが暴力と紛争と弾圧に覆われた今、わたしたちは何を「守る」ように呼ばれているのだろうか、と問いかけられた。

 まず、教皇は第一に守るべきものとして、信仰を挙げられた。苦しみに負けず、出口が見えないことで諦めに陥らないために、信仰を大切に守る必要がある、と述べられた。

 イエスは「天を仰いで」(ヨハネ17,1)祈っておられた、と教皇は指摘。受難を前にしたイエスは苦悩し、闇がせまるのを感じていたが、それにも関わらず、天を仰ぎ、神に向かって眼差しを上げていた、と語り、紛争の中にあっても、憎しみと復讐の論理に陥らず、眼差しを天に上げ、わたしたちを兄弟愛へと招く神の愛を見つめるように、と説かれた。

 また、教皇は第二に守るべきものとして「一致」を示された。イエスが御父に「すべての人を一つにしてください」(ヨハネ17,21)と祈られたように、わたしたちは一致を守り、ただ一つの家族として兄弟愛を育み、友情と愛を生きるように召されている、と語った。

 最後に、教皇は第三の守るべきものは、「真理」であると述べられた。イエスは真理のもとに弟子たちを奉献し、ご自身の使命の継続のために世に遣わすことを神に願われた。真理を守るとは、ある思想を擁護したり、教義の見張りをすることではなく、キリストに結ばれ、その福音に自身を捧げることである、と教皇は説いた。

 「今日、わたしは皆さんの民の苦しみを主の祭壇にもたらし、神がすべての人の心に平和をくださるよう祈りたいと思います」と述べた教皇は、「試練の時も、イエスが皆の信仰と一致と福音の真理に基づく生き方を守ってくださいますように」と祈り、ミャンマーの信者たちを勇気づけられた。

16 5月 2021, 18:46