教皇フランシスコ、少子化問題考えるミーティングで 2021年5月14日  教皇フランシスコ、少子化問題考えるミーティングで 2021年5月14日  

教皇「いのちを受け入れない社会に成長はない」

教皇フランシスコは、少子化問題を考えるミーティングに参加された。

 教皇フランシスコは、5月14日、ローマで開かれた、少子化問題を考えるミーティングに参加された。

 「出生の一般状況を考える」と題されたこのミーティングは、家庭を社会の重要な要素として位置づけ、その保護のために活動する諸グループの集い、「家庭協会フォーラム」によって主催された。

 イタリアでは1970年代から少子化現象が顕著に進んだ。2000年に入ってからも出生数の下降は緩やかに続き、2020年には過去最低を記録している。

 この催しにはイタリアのマリオ・ドラギ首相も出席、教皇は同首相と挨拶を交わされた。

 ミーティングの席で教皇は、イタリアが少子化現象から抜け出し、「いのちと人間から再出発する」ことを願われた。

 ヨーロッパでも特に深刻なイタリアの少子化問題が、いわば「厳しい冬」を迎えつつある現実を見つめられた教皇は、これはパンデミック危機だけを理由としない連続的傾向であると警告された。

 教皇は、仕事と家と育児に引き裂かれ大変な努力をしている親たちや、それを助ける祖父母、また、すべてが止まった状態で未来が見えない若者など、特にこのパンデミックの影響を受けた多くの家族を思いやられ、より良い未来のためには、こうした家族たちに手を差し伸べることが必要、と述べられた。

 また、少子化の原因の一つである就労問題にも触れた教皇は、中でも妊娠・出産を理由とする解雇は恥ずべきこと、と強調。「いのちを受け入れない社会に成長はない。子どもたちは人々を再生させる希望である」と話された。

 さらに、教皇は、経済・技術・環境などの持続可能性だけでなく、「世代間の持続可能性」が重要、と述べ、すべての持続可能な発展はここから出発する、と指摘された。

 加えて教皇は、危機の際の連帯とは異なる形の、家族や出生を助けるための安定した「構造的な連帯」が必要、とも話された。

 最後に、教皇は人間のいのちと未来を信じる人々を励まされ、「出生なくしては未来はありません」と訴えられた。

14 5月 2021, 14:17