2021年4月30日に列福される、尊者ホセ・グレゴリオ・エルナンデス医師(1864-1919) 2021年4月30日に列福される、尊者ホセ・グレゴリオ・エルナンデス医師(1864-1919) 

ホセ・グレゴリオ・エルナンデス医師列福に、教皇メッセージ

ベネズエラでとり行われる尊者ホセ・グレゴリオ・エルナンデス医師の列福式を前に、教皇フランシスコは同国民に向け、ビデオメッセージをおくられた。

 尊者ホセ・グレゴリオ・エルナンデス・シスネロス(信徒、医師、ベネズエラ1864-1919)の列福式が、4月30日、ベネズエラの首都カラカスでとり行われる。

 これを前に、教皇フランシスコはベネズエラの教会関係者と国民に向けて、ビデオメッセージをおくられた。

 この中で、教皇は長く待たれたエルナンデス医師の列福をベネズエラ国民と共に喜ばれ、この列福を「ベネズエラのための神の特別な祝福」と述べられた。

 また、教皇は、同国の再興とパンデミック後の社会の再構築に必要な共通善を実現するため、この機会をより大きな相互連帯を目指す回心の時とするよう招きつつ、皆に和解の精神をアピールされた。

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 尊者ホセ・グレゴリオ・エルナンデス・シスネロスは、1864年、ベネズエラのトルヒージョ州イスノトゥに生まれた。カラカスのベネズエラ中央大学の医学部を卒業後、ヨーロッパ、そして米国に渡り、さらなる学究を深めた。帰国後は大学で教鞭を取り、細菌学の専門家となった。

 医師という職業を使命と捉えていたエルナンデス教授は、最も貧しい人々を助け、患者たちのために自費で薬を購入することもしばしばであった。

 強い信仰に動かされ、1899年、フランシスコ会第三会に入会。1908年、修道者となるためにイタリア・ルッカのカルトジオ会に入るも、病を得て祖国に帰った。数年後、またイタリアに戻り、ローマの教皇庁立ピオ・ラテンアメリカ神学院で神学を学んだが、再び病気のために帰国せざるを得なかった。彼はこれらの経験を通し、信徒の立場に留まりながら神と人々に仕えるという召命を自覚した。スペイン風邪によるパンデミックにおいては、患者たちに献身的に寄り添い、治療に尽力した。

 エルナンデス医師は、1919年6月29日、カラカス市内で、病気の老婦人のために薬を買いに行く途中、車にはねられて亡くなった。

 ホセ・グレゴリオ・エルナンデスの聖性の誉れは早くから広がった。教皇聖ヨハネ・パウロ2世は、1986年、エルナンデス医師を尊者とした。

 

29 4月 2021, 16:49