バチカンで司祭叙階式:教皇「いつも神の民の近くにいるように」
「よい牧者の主日」と呼ばれる復活節第4主日、4月25日(日)、カトリック教会の「世界召命祈願日」が記念された。
司祭や修道者への召命のために祈るこの日、教皇フランシスコは、バチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられ、この中でローマ教区の司祭の叙階式をとり行われた。
この日、司祭に叙階されたのは、イタリア、ルーマニア、コロンビア、ブラジルを出身国とする9人の助祭。
この叙階ミサは、パンデミック拡大防止対策に従いながらも、教皇はじめ、バチカンとローマ教区の聖職者の代表たち、そして新司祭の家族や友人、神学院や小教区関係者らの温かい眼差しのもとに行われた。
教皇はミサの説教で、司祭が常に「近づくべき」四つの対象について話された。
まず、司祭が、何にも増して近づくべきなのは、神である、と教皇は述べた。司祭は祈りと秘跡とミサを通して、神の近くにいる。常に主のそばで、主と対話することが司祭には必要であり、祈らない司祭は、聖霊の火を次第に消していってしまうことになる、と注意された。
第二に、司祭が近寄るべきなのは、司教である。司祭たちは司教のうちに一致する、と述べた教皇は、司祭は神に仕え、司教に協力する者である、と話された。
第三に、教皇は、司祭同士の交わりを挙げられた。司祭の間で何か意見の相違があっても、噂話などをせず、率直に対話し、司教の助けを得て、常に一致を保つようにと助言された。
そして、教皇は最後に、司祭は常に聖なる忠実な神の民の近くにいるべき、と強調。司祭は自分の意志でなるものではなく、神の民の間から召された存在である、と指摘しつつ、自分がどこからやって来たか、自分の家族や人々を思い出し、「役人」ではなく、「神の民の司祭」となるように、と励まされた。
ミサの後半、司祭叙階の儀式がとり行われた。
叙階を受ける9名は、教皇が述べる司祭が果たすべき約束に対し、「はい、果たします」「はい、約束します」とそれぞれ答えた。
この後、諸聖人の連祷が荘厳に唱えられる中、受階者らは、聖堂の床に全身を伏して祈り続けた。
次いで、教皇による按手と聖別の祈り、司祭の祭服の授与と着衣、両手への聖香油の塗油、パンとぶどう酒の授与が行われ、こうして新司祭たちは、司祭団に温かく迎えられた。
ミサの後、正午のレジーナ・チェリの祈りで、教皇はこの朝とり行われた司祭叙階式について報告。主の畑で働く良い働き手たちをたくさん送ってくださるよう、主に祈ろう、と教皇は信者たちに招かれた。