教皇フランシスコによる「神のいつくしみの主日」のミサ 2021年4月11日 ローマ、サント・スピリト・イン・サッシア教会  教皇フランシスコによる「神のいつくしみの主日」のミサ 2021年4月11日 ローマ、サント・スピリト・イン・サッシア教会  

教皇「いつくしみを受けた者から、それを与える者へ」

「神のいつくしみの主日」を記念した4月11日(日)、教皇フランシスコはローマ市内のサント・スピリト・イン・サッシア教会でミサを捧げられた。

 カトリック教会の典礼暦で「神のいつくしみの主日」を記念した、4月11日(日)、教皇フランシスコは、バチカンに近いサント・スピリト・イン・サッシア教会でミサを捧げられた。

 「神のいつくしみの主日」は、聖ヨハネ・パウロ二世が、「神のいつくしみの使徒」として知られるファウスティナ・コヴァルスカ修道女の列聖(2000年4月)を機に、毎年、復活祭の直後の日曜日(復活節第二主日)に記念するよう制定したもの。

 この日、教皇フランシスコが訪れた、サント・スピリト・イン・サッシア教会には、聖ファウスティナが広めた「神のいつくしみの信心」の霊性センターが置かれている。教皇は昨年に続き、「神のいつくしみの主日」に同教会でミサを捧げることになった。

 ミサには、「いつくしみの特別聖年」開催中の2016年に「いつくしみの宣教者」として派遣された司祭らの代表も参加し、この儀式を共同司式した。

 パンデミックの影響でミサは規模を縮小して行われたが、教会に隣接するサント・スピリト病院の関係者をはじめ、ローマの刑務所の受刑者代表や、難民、ボランティアらが参列した。

 教皇はミサの説教で、復活したイエスは、何度か弟子たちの前に現れ、忍耐強く彼らの不信を解くことで、いわば「弟子たちの復活」を行い、こうしてイエスによって再び引き上げられた弟子たちは、これまでと違う人生を歩み始めることになった、と振り返った。

 弟子たちは、これまで、主の多くの教えに耳を傾け、多くの模範を目撃したにも関わらず、自分を変えることはできなかった、と教皇は指摘。

 しかし、イエスの復活は彼らに新しい何かをもたらし、彼らを変えた。それはいつくしみのしるしのもとに起きたことであった、と語った。

 イエスは弟子たちをいつくしみによって引き上げ、「いつくしみを与えられた者」になった彼らは、今度は「いつくしみを与える者」に変容された、と教皇は説かれた。

 弟子たちは、復活したイエスから三つの贈り物を通して、いつくしみを受けた、と教皇は述べ、その贈り物とは、「平和」、「聖霊」、そして、ご自身の体の「傷」であった、と話された。 

 「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす」(ヨハネ20,21)。

 イエスはご自身の平和を与えることで、弟子たちの心に内面からの信頼を取り戻させた。それは、彼らを不信から信頼へと、さらにはその信頼からミッションへと飛躍させるものであった、と教皇は語られた。

 「聖霊を受けなさい。だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される」(同20,23)。

 聖霊における赦しは、弟子たちを内面から立ち上がらせるための、イエスからの復活の贈り物であった、と教皇は話し、罪はわたしたちの力だけでは消せないが、神のみがそれを取り除くことができ、神のいつくしみだけがわたしたちを最も深い惨めさから引き出すことができる、と述べられた。

 「そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました」(参照 1ペトロ2,24)。

 「彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた」(参照 イザヤ53,5)。

 教皇は、復活した主は、平和と聖霊を与えた後、ご自身の「傷」を見せ、それに触れさせることでいつくしみを与えられた、と語った。イエスの傷、それは主とわたしたちをつなぐ通路である、と述べた教皇は、イエスはそれを広げることで、わたしたちがその優しさの中に入り、いつくしみに触れることを望まれた、と話された。

 わたしたちもいつくしみ深いイエスの平和と聖霊と傷によって復活し、そして、自分たちも「いつくしみの証し人」となれるようにと、教皇はその恵みを主に祈られた。

 ミサの終わりには、教皇はレジーナ・チェリの祈りを参加者らと共に唱えられた。

11 4月 2021, 18:14

レジーナ・チェリの祈りとは?

レジーナ・チェリ(アレルヤの祈り)は、4つの聖母の交唱(アンティフォナ)のうちの一つです。(この他の聖母のための交唱には、アルマ・レデンプトリス・マーテル、アヴェ・レジーナ・チェロールム、そして、サルヴェ・レジーナがあります。)

教皇ベネディクト14世は、1742年、これを復活節の間、すなわち復活の主日から聖霊降臨までの期間、お告げの祈り(アンジェルスの祈り)の代わりに、死に対する勝利のしるしとして起立して唱えるようにと定めました。

お告げの祈りと同様に、早朝、正午、夕方と、一日3回唱え、その一日を神とマリアに捧げます。

この古いアンティフォナは、伝承によれば、4世紀、または10世紀にさかのぼります。その普及については、13世紀半ばから記録され、フランシスコ会の聖務日課に挿入されたことが知られています。これは、4つの短い詩句からなり、それぞれがアレルヤで終わります。これは、信者が天の元后マリアに向けて、キリストの復活を共に喜ぶ祈りです。

教皇フランシスコは、2015年4月6日、復活祭翌日のレジーナ・チェリの祈りにおいて、この祈りを唱える際の心掛けについて語っています。

「わたしたちはマリアに向かって、お喜びくださいと言います。なぜなら聖母に宿られた方は、おことばどおりに復活されたからです。そして、わたしたちは、聖母の取り次ぎを願うのです。実際、わたしたちの喜びは、聖母の喜びを反映するものです。マリアは御子イエスの死と復活の出来事の静かな証し人です。
母の喜びを自分のものとする、子らの喜びをもって、この祈りを唱えましょう。」

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