バチカン放送、ラジオ放送開始から90周年 バチカン放送、ラジオ放送開始から90周年 

バチカン放送開始90周年:教皇「記憶を守り、未来を見つめて」

教皇フランシスコは、放送開始から90年を迎えたバチカン放送の関係者にお祝いのメッセージをおくられた。

 バチカン放送は、2021年2月12日、ラジオ放送開始から90周年を迎えた。

 教皇フランシスコは、同日、バチカン放送の関係者にメッセージをおくり、放送開始90周年に温かい祝意を表された。

 このメッセージで教皇は、この節目に当たり、わたしたちの歴史の記憶を守り、過去を振り返るだけでなく、築くべき未来を見つめることが大切である、と述べられた。

 そして、教皇は、バチカン放送に携わる人々の仕事と、それに注ぐ愛に感謝を示された。

 バチカン放送の素晴らしい点は、辺境の地までみことばを届けることにある、と教皇は述べ、今日、ラジオ放送に、映像やテキストによるニュースも加わったことを喜ばれた。

 世界に語りかけ、物事の真理を伝えることのできるコミュニケーションを築くために、勇気と創造性をもって前進するよう、教皇は関係者らに励ましをおくられた。

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 バチカン放送(RADIO VATICANA)は、1931年2月12日、時の教皇、ピオ11世(在位1922-1939)によるラテン語のメッセージをもって、バチカン市国の中から、そのラジオ放送を開始した。

 バチカン放送局開局に技術責任者として尽力したのは、無線電信の開発者、グリエルモ・マルコーニ(1874-1937)であった。実際、最初の放送で、マルコーニは、イタリア語で短い導入の言葉を述べている。

 バチカン放送は、第二次世界大戦中も重要な情報源として放送を続けた。特に、戦中から終戦後、市民や兵士の消息を求めるメッセージの伝言板の役割を果たした。

 終戦後、バチカン放送で使用される言語は次第に増えていった。1957年には、ローマ郊外のサンタ・マリア・ガレリアに中継センターが開設され、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアに向けた放送体制が整っていった。

 こうした中、1959年2月16日夜、(日本時間1959年2月17日朝)教皇聖ヨハネ23世(在位1958-1963)は、日本に向け、初めてのメッセージと、祝福をラテン語でおくった。

 このように始まった日本語放送は42年間続き、2001年3月25日に放送を終了している。放送終了後、バチカン放送のインターネットサイトにニュース記事の掲載が始まり、2018年からは、新しく開設されたポータルサイト「バチカン・ニュース」(VATICAN NEWS)にてニュースを配信している。

 現在(2021年2月12日時点)、バチカン放送は、41言語でラジオ放送を行っている。

 一方、インターネットサイト「バチカン・ニュース」では、日本語を含む、33の言語でニュースの配信が行われている。

12 2月 2021, 07:00