2021年元日:教皇「聖母から人を思いやり愛することを学ぶ」
2021年元日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、「神の母聖マリア」の祭日と、カトリック教会の「第54回世界平和の日」を記念するミサが捧げられた。
教皇フランシスコは、坐骨神経痛のために、大晦日と元日の宗教儀式の司式を見送られた。こうしたことから、元旦のミサはバチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿によってとり行われた。
パロリン枢機卿は、ミサの中で、教皇が用意した説教を読み上げた。
この説教の中で神の母マリアを観想された教皇は、マリアは神とわたしたちの架け橋であるのみならず、神がわたしたちのもとに来られるために通られた道、同時にわたしたちもまた神の御許に到達するために通るべき道である、と述べた。
わたしたちは死ぬためではなく、いのちを生み出すためにこの世界にいる、と述べた教皇は、「すべてを心に納めていた」(参照:ルカ2,19)神の母は、わたしたちのまわりの人にいのちを与える最初の一歩は、その人を自分の中で慈しむことである、と教えてくれる、と記した。
心の中から善は生まれる。人を思いやり愛せるように心を強化することは重要である、と教皇は説いた。
すべては、他者や、世界、自然をいたわることから始まる、と述べた教皇は、多くの人や物事と出会っても、それを大切にできなければ意味がない、とも記している。
今年、世界に再生と新しい治療が期待される中、体へのワクチンだけでなく、思いやりという心のワクチンの必要を教皇は強調された。
聖母がわたしたちに手を差し伸べてくださるように、わたしたちも他者をいたわることができるならば、この年は良い年になるだろう、と教皇は話された。
教皇は、新年を聖母の保護に託しながら、わたしたちが神と人々のために時間を割くことを教えてください、と祈られた。