コルプス・ドミニ:教皇、ローマ郊外の小教区でミサと聖体行列

教皇フランシスコは、キリストの聖体の祭日のミサと聖体行列を、ローマ郊外の小教区でとり行われた。

教皇フランシスコは、6月23日(日)午後、ローマ市東部カサル・ベルトーネ地区の小教区を訪問し、キリストの聖体の祭日のミサと聖体行列、聖体降福式をとり行われた。

この日、イタリアのカトリック教会は「キリストの聖体(コルプス・ドミニ)」の祭日を祝った。

「キリストの聖体」の祭日は、三位一体の主日の直後の木曜日に祝われるが、イタリアや日本をはじめ、多くの国のカトリック教会では、信者らのミサへの参加に配慮して、三位一体の主日の次の日曜日に記念する。

コルプス・ドミニの宗教行事のために教皇が訪問したカサル・ベルトーネ地区は、いくつかの幹線道路や鉄道駅に近く、かつて多くの工場が周囲に進出したことから、1920年代に開発が進められた。

同地区の小教区が置かれるサンタ・マリア・コンソラトリーチェ(慰めの聖母)教会は、1945年に完成した。

カサル・ベルトーネに到着し、住民たちの熱心な歓迎を受けられた教皇は、同教会前の広場でミサを司式された。

説教で教皇は、この日の福音朗読箇所、イエスのパンと魚の奇跡(ルカ9,11b-17)を観想された。

「イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで、それらのために賛美の祈りを唱え、裂いて弟子たちに渡しては群衆に配らせた」(ルカ9,16)。

教皇はここに、「祝福し」「与える」という、キリスト者が持つべき2つの態度を見出された。

イエスは5つのパンを祝福することで、それらを増やし、滝のような善を湧き出させた、と述べた教皇は、祝福とは言葉を贈り物に変えることであり、祝福をする時、それは自分のためでなく、人のために愛をもって何かをするのである、と話された。

また、イエスは賛美の祈りを唱えた後、パンを与えるが、ここでは「裂いて」「渡して」「配らせた」とあることに教皇は注目。ここで強調されているのは、「増やす」ことではなく、「分かち合う」ことである、と説かれた。

教皇は、イエスは魔法で5つのパンを5千に増やして、それを配るように命じたのではなく、賛美の祈りを唱え、御父とその御摂理に信頼してパンを裂き始めると、そのパンは尽きることがなかった、ということであると強調された。

世の中は常に儲けを増やすことを求めているが、その目的は与えることにあるのか、所有することにあるのか、と教皇は問い、「福音の経済」は、分かち合いながら増やし、配りながら満腹するものである、と話された。

「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」(ルカ9,13)と、イエスが弟子たちに命じた言葉は、自分たちが持っているものを人に与えることで、実りがもたらされると教えている、と述べた教皇は、それが多いか少ないかは重要ではなく、主は、5つのパンのような、わたしたちの小ささから、偉大な業を行われる、と語られた。

聖体が教えることは、一片の小さなパンの中に神がおられ、そのパンは裂かれ、分かち合われるということ、そして、聖体を受け取るとは、神の考え方がわたしたちに伝わるということ、教皇は話し、それは、「わたしは関係ない」「時間がない」といって顔をそむける態度への特効薬になるだろう、と説かれた。

ミサの後、地区の家々の間を聖体行列が練り歩いた。

教皇は最後に、聖体顕示台を掲げて、人々に祝福を与えられた。

24 6月 2019, 17:24