WYDパナマ大会:教皇「神の愛の変容する力に信頼する」閉会前の前夜祭

教皇フランシスコは、「ワールドユースデー(WYD)パナマ大会」閉会を控え、若者たちと前夜祭を行われた。

1月26日、教皇フランシスコのパナマ訪問は、すでに4日目を迎え、あと1日を残すのみとなった。

22日から始まった「世界青年の日(ワールドユースデー、WYD)パナマ大会」は、23日の教皇到着後、日増しに熱気を帯びている。

26日夕方からは、翌日の閉会行事である大会記念ミサに向け、教皇と若者たちによる前夜祭が行われた。

パナマ市郊外のカンポ・サン・フアン・パブロIIで開催されたこの前夜祭には、およそ60万人が参加した。

集いは、「生命の樹」とタイトルされたダンスによるパフォーマンスと、障害のある子を大きな愛をもって育てる若い家族、教育や就業の機会が十分でないままに麻薬中毒に陥いるも、共同体の中で立ち直った青年、パレスチナ出身のキリスト教徒の女性の、3つの信仰体験の語りを織り交ぜながら始まった。

教皇は説教で、神がわたしたちに与える救いは、多くの人々の人生が絡み合う、一つの「愛の歴史」への招きであると話された。

わたしたちの命を最初に認めた方である神は、ご自身と一緒に、わたしたちも自分の命・人生に対し「はい」と答えることを望んでおられる、と語られた。

マリアもまた、この愛の歴史に参与するよう招かれ、驚くことになった、と教皇は述べ、マリアは今日のソーシャル・ネットワーク上の「インフルエンサー」とは異なるが、神の愛と約束に信頼し、その招きに「はい」と答える勇気を持つことで、歴史に最も大きな影響を与える女性となった、と説かれた。

若いマリアが天使に答える「お言葉どおり、この身に成りますように」という返事の驚くべき力を教皇は観想しつつ、マリアの「はい」は受け身でも、諦めでもなく、リスクを恐れない人の言葉であったと話された。

この「はい」は何世代もの間、キリスト者たちの間で響いてきたと述べた教皇は、舞台で信仰体験を語った人々の人生に、神の招きに「はい」と答えたマリアの勇気を見出された。

若者が仕事も、教育も、共同体も、家族も持たない時、その人は虚しさのうちに、生き、闘い、愛する勇気をなくし、自分自身の存在価値さえも失ってしまうと教皇は話し、「自分は他人や社会のためにもはや存在しないと考える若者が、どうして神が彼のために存在すると考えることができるだろうか」と問われた。

教皇は青少年の父、ドン・ボスコの例を示しつつ、ドン・ボスコは遠い特殊な場所に若い人たちを捜しに行ったのではなく、街の中で身近に起きているすべてのことを、神の目で見つめるうちに、学校も仕事も助けもないまま見捨てられている、あまりに多くの子どもや青年たちの存在に心を打たれることになった、と振り返られた。

ドン・ボスコは、第一歩として、自分が置かれた目の前の状況を受け入れ、次の一歩として、青少年と一緒に共同体=家族をつくり、彼らがそこで仕事や勉強を通して、愛されていると感じることができるようにし、「天国にたどりつくためにつかまる根となるもの」を彼らに与えた、と教皇は説明された。

イエスは、重い皮膚病の人や、目の見えない人、麻痺のある人、ファリサイ派の人や、罪びとや、十字架上の泥棒に至るまでを抱擁されたが、それは「愛する者だけが、救われる」からである、と教皇は強調。

「自分が根を伸ばすことのできる共同体や家庭がある時、人はいつでも一からやり直すことができる。」

「神は一人ひとりの具体的な顔を通してそこにおられる。マリアのように、神の愛の歴史に『はい』と答えることは、自分の町や教会共同体の中で、新しい関係を抱き、築いていくための道具となること。」

「明日を生み出す勇気を持ち、神の愛の変容する力に信頼する人が増える時、世界はより良いものになるだろう」

教皇はこのように話された。

27 1月 2019, 18:37