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「原爆の日」に祈る人々 2021年8月6日 広島平和記念公園 「原爆の日」に祈る人々 2021年8月6日 広島平和記念公園 

平和旬間始まる:「すべてのいのちを守ることこそ、平和をつくる」

広島の「原爆の日」と共に、カトリック教会の「平和旬間」が始まった。

 8月6日、広島に原爆が投下されてから76年となった。この「原爆の日」と共に、カトリック教会の「平和旬間」が始まった。

 「平和旬間」(8月6日~15日)は、広島への原爆投下の日から始まり、長崎の被爆の日をたどり、終戦の日までの10日間行われるもので、これらの出来事を深く記憶にとどめ、平和を祈り、平和について考え、語り、平和のために行動するよう招いている。

 毎年「平和旬間」には、司教団から談話が発表される。

 2021年の「平和旬間」に際し、日本カトリック司教協議会会長、髙見三明・長崎大司教は、「すべてのいのちを守ることこそ、平和をつくる」をテーマに談話を発表した。

 この中で髙見大司教は、2019年11月の教皇フランシスコ訪日時の「すべてのいのちを守るため」というモットーを思い起こし、「すべてのいのちを守る」ことこそ平和への道であると呼びかけている。

 談話は、各地の紛争や、難民問題、冷戦的対立等に揺らぐ国際社会に、より良い関係の構築を目指す対話の継続を願っている。

 また、2021年1月22日より「核兵器禁止条約」が発効したにもかからわず、核保有国や、日本のように核の傘の下にある国々がまだこの条約を認めていないことに対し、唯一の被爆国である日本はもとより、他の国々も同条約を批准するよう希望している。

 さらに、新型コロナウイルスによるパンデミックが、多くの人々を困窮に陥れる中、ワクチンの供給を始め、貧しい国々に対する配慮を豊かな国々にアピールしている。

 同談話は、教皇フランシスコとアル=アズハルのグランド・イマーム、アフマド・アル・タイーブ師がアブダビで2019年2月に共同署名した文書『世界平和のための人類のきょうだい愛』や、教皇の回勅「フラテッリ・トゥッティ」の精神を示しつつ、「すべての人のいのちの尊厳を等しく尊重し、兄弟姉妹として相互の信頼を深めていく必要」を述べている。

 そして、「一つ一つのいのち、一人ひとりのいのちを守ることは、いのちといのちのつながりを守ること」であり、「同時に個々のいのちを守ること」であるとし、「個々のいのちが充足し、いのちといのちの間に調和があり、すべてのいのちが幸福に満たされる状態こそが平和」であると説いている。

06 8月 2021, 10:25