バチカンで開催中の「若者」をテーマとしたシノドス バチカンで開催中の「若者」をテーマとしたシノドス  (Vatican Media)

シノドス:召命の識別めぐる「討議要綱」第二部の考察を終了

「若者」をテーマとするシノドスは、「討議要綱」の第二部を終了した。

バチカンで、「若者、信仰そして召命の識別」をテーマに、「世界代表司教会議(シノドス)第15回通常総会」が続いている。

開催から13日目の10月15日午後、シノドス・ホールでは、第11回全体会議が行われた。

「討議要綱」第2部「判断する:信仰と召命の識別」のまとめにあたるこの全体会議では、ここ数日言語別に行われた小会議から上がった意見が発表された。

「召命」をめぐり、司教らは、すべての人が神の愛と、神との交わりに対する召命を持ち、世界と人類家族のために奉仕するよう招かれている、と述べた。

それは、宗教や世界観の違いにおいても連帯を可能とするための、正しい自覚を持った、一生続く普遍の召命であると強調された。

また、「召命」とは、「聖性」への普遍の招きでもある、と司教たちは述べ、聖性とは歯を食いしばって得るものではなく、喜びをもって自分を捧げることにあると指摘された。

すべての若者において教会はその存在を啓示すると同時に、すべての若者は「神聖なる地」である、と司教らは話した。

すべての召命の選択の基礎は、イエスとの個人的な出会いの中にあるとし、キリストと若者たちの関係を改めて深める必要が示された。

召命の識別については、教会共同体をはじめとする適切な環境と、ふさわしい指導者を見出すことが肝要であり、指導者は、準備の行き届いた、心に神を抱く人であるならば、必ずしも司祭である必要はない、と意見された。

若者が自分の内部を見つめるだけでなく、周囲をも見つめる必要が指摘され、そのためにも教会生活は、個人的な部分と共同体的な部分の両立が大切とされた。

若者と秘跡の関係においては、「聖体の秘跡」に若い人々を近づかせると同時に、「堅信の秘跡」は教会からの解放の「免状」ではなく、むしろ自らの信仰をより成熟させるためのものと教えなければならないと、司教らは説いた。

心身の、あるいは社会的な困難を抱えた若者を、教会の中に、強引にではなく、温かく迎え入れることが大切であるとし、それによって、これらの若者たちは教会共同体を変容させるための恵みとなるだろうと強調された。

また、独身者や同性愛的傾向を持つ人たちに寄り添うことも教会の課題として示された。

複雑で変化の多い時代において、イエスの与える回答は、人生の意味を見出すことに苦しむ若い人たちの希望であり続けるだろう、と司教らは述べた。

16 10月 2018, 16:48